いばらのみち

わたしが、わたしの人生を謳歌するブログ

引き込まれる文章

ワナビのみなさま、原稿は進んでいるでしょうか。

さて、私の創作のお供は、コーヒーと焼き菓子が定番です。

ハンドドリップでちゃんと淹れているんです、コーヒーを。

ペーパーフィルターにお湯が染み込むところを眺めつつ、

展開に行き詰まった作品を重ねて、

そうじわじわと進めばいいんだよね、と自分を励ましています。

 

でも、そんなことを言ってては、いつまでも完結ができないので、

やっぱり9月のホワイトハート文庫を目安に書き切りたいと思います。

 

最近読んだ本の紹介

チョコレートコスモス 恩田陸

本の世界に入り込む時の、あのグッとくる瞬間が味わいたい方にオススメ

小説を読んでいると、本の世界にトリップすることがあると思います。

主人公の傍らで、同じ熱気と湿度の中、同じ匂いを嗅いでいるような、

旅行よりも、現実よりもリアルで生々しい、気持ちいい瞬間。

 

さて、チョコレートコスモスのあらすじですが、

2人の天才少女が演劇を通じて、お互いを高め合う話です。(ドーン)

主人公の飛鳥は演技の天才ですが、その才能に他人も、自分も気づいていません。

一方、もう一人の天才少女 響子は、役者のサラブレッド。

自分も他人も、彼女の才能を認めています。

境遇は正反対だけど、演技の天才という意味では、自分の内に潜む「何か」を共有

しているのです。「何か」があることを知っている、だけど、それがどこにあるのか

は知らない。演技の先の「何か」に触れたいと思っているわけです。

そんな二人は、ある舞台を巡ってオーディションを受けることになります。

 

もちろん、飛鳥はオーディションを受けようなどという気はさらさらなく、

どころか素人である自分は、ゆっくりと着実に演技を身に付けたいと思っていて、

向上心や自己顕示欲とは縁のない世界に生きています。

けれど、素人である飛鳥がスポットライトを浴びるたびに、その才能が露見し、

気がつけば本人の意思ではコントロールができない、運命の渦に巻き込まれ始めます。

 

読者も一人の観客として、部員として、スタッフとして、

飛鳥の才能を目の当たりにすることとなるのですが、表現の臨場感が凄まじい。

いずれ歴史に名を残すことになるであろう、天才二人の演技が、

目の前で繰り広げられているかのごとく、生々しい表現。

歴史的な瞬間に立ち会っているんだ、と目が潤み、背筋が寒くなります。

 

私は本に「共感」を求めていて、

あんたの気持ちわかるよ〜とか、もうなんでそういうことするかなーとか、

おいおい、どうなっちゃうんだよとか、頑張って!とか。

 

特に女性作家が好きで、その中でも森絵都さんが大好きです。

森絵都さんの小説は主人公と一緒に泣いたり、笑ったり、怒ったり、

友達と会話しているような温かさがあって、

(セックスアンドザシティーを観ている時にも感じる)

本を閉じ終わるまでに、主人公と知り合い、喧嘩し、仲直りし、相手を認める

みたいな一つのプロセスがあって、物語に共感する感じがしますが、

 

恩田さんの小説は、圧倒的な勢いがあって、抗えない力に引きずられていく、

それで、現場を目撃してしまった!最後まで見届けないと、みたいな

共感の仕方というか……

 

まとまんないですけど、ブログだしいいでしょう。

本っておもしれーって思った休日でした。

 

 

チョコレートコスモス (角川文庫)

チョコレートコスモス (角川文庫)